北海道旅行記

 

  


 

 7/26夕方、翌朝の飛行機に乗るために東京に出発。
 ジライヤは爪の傷が治らないので、外出禁止令を出したまま、あまり可哀相なので、リードをつけて庭の散歩を少し。爪をマキロンで消毒し、別れを惜しんで大荷物を抱えて焼津駅まで歩く。車族になってから荷物のパッキングが下手になったようで、何故こんなに重いのか分からないままフウフウいいながら道を辿る。幸い連日の熱風吹き付ける暑さとは違い熱中症で倒れる前に駅に着いた。
  新幹線、京浜東北線、バスと乗り継ぎも良く、途中のコンビニで弁当でも買って夕食にしようかという目論見は外れてしまったが、つつがなく本日の宿、アーバンホテル大田市場に到着。「お会いしませんか?」と言う風さんのメールにジョークで本日の宿の電話番号を返しておいたら伝言を入れて置いて下さった。お蔭で、短い時間ながらホテルのレストランでデートという独身時代も経験の無い優雅な時を過ごせた。話題は共通の知人の事(といっても皆HNでしか知らないのだが)、農大の話などだが…。誤解の無いようにね!
  さて、明日の朝はam6:30の待ち合わせ。モーニングコールをam4:50に合わせて早寝。

 

 

   7/27、am4:50、TANUKI氏の心配もよそにモーニングコールで目覚める。ただし、また寝込まないようにテレビを点け、昨晩から沸かしておいたポットの湯で持ち込みのインスタントコーヒーを入れる。am5:30には支度をして出る予定だったが、入り口に朝刊があるのを発見して、見出しを一通りながめて、やや遅れて部屋を出る。チェックアウトをして、目の前の送迎バスに乗り、羽田空港へ。いささか早かったが約束のam6:30には無事に相棒と合流。荷物をチェックインし、彼女がみやげに持って行くというドラヤキを探して店を見て廻るが、早朝過ぎて見つからずそのまま飛行機へ。
 am9:00過ぎには帯広着。レンタカーを借りて彼女の6年生になる甥っ子を迎えに広尾町音調別へ。
 音調別は昆布漁の真っ最中。砂浜一面に昆布が干してある。甥っ子さんの寄宿先も漁師さん。昆布干しを眺め、フンベの滝を見て幕別町糠内へと向う。
 途中、忠類村の焼肉ハウス『夢がいっぱい牧場』でお昼。甥っ子さんが「お肉が柔らかで、たくさんあってお腹が一杯になる」と勧めた通り、中々美味しいお店だった。この春に北海道に来たばかりだが、彼も中々詳しくなっている。お店の人が近くに四葉のクローバがたくさんある所があると言うので、しばらく四つ葉探し。皆で1つづつ見つけて、出発。
 迷いながらも何とかR236から県道15に出て糠内方向へ。小さな看板を頼りにポニーファームへたどり着く。
 甥っ子さんは早速お馬の稽古の仲間入り。我々もやろうと言っていたのだが、見ているうちにひより、素泊まりに変えてもらう。素泊まりは¥2000。朝食¥600、夕食¥1200。牛の乳搾りや馬の世話を見ながら宿舎へ。部屋は2段ベット2つの4人部屋。ここがしばしの我々の基地となる。早速明日のドライブの検討。
 夕食は食堂でラムのジンギスカン。相棒は匂いが苦手らしく、柔らかだけど薄っぺらでない美味しい肉をホクホクとたくさん食べてしまった。
 夕食後、宿の人に聞いて近くの温泉へ。「とにかくこの辺には異質の大きなビルですから」と地図を書いてもらったのに最初の曲がる道を見逃して迷う。大ドライブの末にホテルへ。入浴料¥700。混んでいたけれど、茶色の湯で肌がツルツルになった。帰りは迷わず、pm10:00前には部屋に帰り着く。甥っ子さんはようやく解禁になったゲームボーイがまだ手放せない。

糠内ポニーファーム  http://www.netbeet.ne.jp/~ponyfarm/index.html

 

 

  7/28am6:00起床。相棒と甥っ子さんは早速準備運動をしてマラソン。相棒は前中学陸上部顧問。甥っ子さんは先日サンタランドマラソンで2位に入った強者。こちらはカメラを持ってブラブラと散歩。羊も馬ももう草原に広がっている。柵はあるがその外を歩いているものも居る。
 am8:30朝食。トースト、コーヒー(甥っ子さんはホットミルク)オムレツ、ウインナー、スパゲッティ、チーズ、カッテージチーズのサラダなど。食後、甥っ子さんは馬の世話、私は洗濯機を借りて2日分の洗濯。
 我々は本日の夕食をキャンセルして、池田でワイン城とハピネスディリーというアイスクリーム屋さんに寄り、そこから清水まで自動車道を通ってトムラウシ温泉に行く計画を立てる。
 まずは隣町池田へ。駅からすぐのワイン城は看板もあるし観覧車が目立つのですぐ分かる。ここのレストランには牛1匹料理(丸ごと出てくる訳ではなく、肉のステーキ、タン、テールシチュー等になってくる)があるのだが、今回は見物をしてお土産を買うだけ。すぐ近くに在る筈だったハピネスディリーは道を間違えて延々のドライブのすえ行き着いた。ここは私が今回のおみやげ買いのメインに決めていた所。送り伝表を書いている間に相棒はソフトクリームをぺろり。もちろんその後で私がアイスクリームを食べている間に彼女もアイスクリームに挑戦。さっぱりしているけれど存在感のある味は送った先でも好評だった。実はここから叔母の家はすぐなのだが、今日はそのままインターへの道を聞いてトムラウシへ。
 ほとんど車の通らない高速道の入り口のおじさんに¥500を払い、出口のおじさんに¥600を払う。
 まずは新得町の『そばの館』で遅めの昼食。まわり一面蕎麦畑で、頼めば蕎麦打ち体験もできる施設。とりあえず昼食を済ませて一路トムラウシへ。さほど迷う事は無かったが、途中から未舗装道路。広いし緑の中を走るのは気持ちが良かったが、お互いの運転の癖が違い助手席側(行きは私、帰りは相棒)は幻のブレーキを踏む事しばし。国民宿舎の温泉は出来たばかりらしくきれい、しかも入浴料¥350。ノンビリと浸かり帰り道。
 思えば遠くへ来たもので、帰りは時間と競争。しかも、帯広で花火の渋滞に巻き込まれ、大幅に予定時間オーバー。甥っ子さんを置いてきた相棒はさすがに気になり、公衆電話を探しては連絡。pm9:00前にようやく帰り着く。
 甥っ子さんは心配する事も無く今日のお客さんたちと花火の最中。土曜日の事もありお客さんも多数。
 とりあえずあまり乾かなかった洗濯物を取り込み、今日のお客さん達と少しおしゃべりをして早々に部屋に引き取る。気がついたら甥っ子さんを風呂に入れるのも忘れていた。

池田町ブドウ・ブドウ酒研究所 http://www.tokachi-wine.com/

HappinessDairy  http://happiness.presen.to/

国民宿舎東大雪荘トムラウシ温泉  http://www.netbeet.ne.jp/~taisetsu/tomurausi1.html

 

  昨日の記述で、忘れていたエピソードを1つ。数年前、十勝岳の方へドライブに行った時、道路でキタキツネと遭遇したので、今回も会えるかなと思っていたら本当にトムラウシへ向う途中に出てきた。前回登場したのはいかにも営業部長然とした狐で、道に座り込んで写真まで取らせてくれた。今回のは若手で、道の端をウロウロするので轢かれるのではないかとやや心配になった。相棒は「危ないから行きなさい!」と狐に向って叫んだが、しばらくこちらを見ていた。

  7/29am7:00起床。甥っ子さんはすでに朝のマラソンから帰ってきたそう。
1人でポニースクールに来ている小学生の女の子2人も加えて朝食。今朝は人数が多いのでバイキング形式だが、メニューは卵、ウインナー、肉団子、チーズ、サラダ、スパゲッティなど盛りだくさん。パンも2種類あった。それに飲み物。今日はミルクを飲んでみた。
 子供達の活動開始に合わせて我々は帯広へ。
 緑ヶ丘公園の駐車場に車を止め、植村直巳記念館・氷雪の家を探す。何と動物園の中の小さな建物。一応、北極で使ったそりやそりを引いた犬の剥製、記念の品などと資料・映像で紹介されていたが、ちょっと拍子抜け。外の檻にはハスキー犬も何頭か飼われていた。動物園を出て野草園を通り抜け百年記念館へ。まず入り口でマンモスが迎えてくれる。こちらは十勝平野の成り立ちや発掘の記録、アイヌ文化や開拓の歴史、十勝の自然や農産物の紹介などが展示してある。見ごたえ十分。動物園の入園料¥450、百年記念館は¥350。ここは他にも色々な施設があるが、他は割愛。
  午後はまず愛国駅と幸福駅に寄って写真をとる。廃線になって線路は無くなっているがしっかりとミニ観光地になっていた。
 それから中札内美術村へ。坂本直行記念館のみあった頃、1度連れて行ってもらってすっかり気に入った所。今や相原求一朗美術館と関口哲也写真ギャラリー・北の大地館が加わりレストランや売店・甘味処もある大きな施設になっていた。しかし、広々とした敷地の柏の林に包まれて、ゴチャゴチャしたイメージは感じられない。前と同じに林に抱かれた気持ちのいい施設だ。道路から駐車場への道の枕木を使ったエントランスも面白かった。
 本日は昨夜の轍を踏まずpm5:00帰着。
 夕食は塩鮭と豆腐とアブラゲの煮物、味噌汁だけと思ったら、後からメインディシュのラムチョップがやってきた。しかも骨付きの大きなのが2つも付いて。お腹は一杯になっていたが、もちろん別腹へホクホクと押し込んだ。
 夕食後、今日は忠類村の温泉へ。ナウマンゾウの化石が出た所とかで記念館もある。甥っ子さんはここの『ナウマン饅頭』が気に入りのようで、帰りに買いたがったが時間が遅くて無く、予約をして帰った。
 
こうして無事今日の日も終わった。

ナウマン温泉ホテル  http://www.arco236.co.jp/

 

 

  7/30am6:00過ぎ起床。早朝に目覚ましが鳴らなかったのとベットに慣れたせいか夜中の雨も知らずによく眠った。本日は雨、しかも時々強く降る。
 朝1番で相棒は昨夜のナウマン温泉に『ナウマン饅頭』を買いに行く。彼女を待って朝食。今日は雨のせいか仲間の小学生の女の子達も出てくるのが遅い。食堂で今日苫小牧からフェリーで帰るというご夫婦と一緒になる。
 食後、乗馬体験を申し込む。食堂の差配をしているお兄さんに「今日は雨なので屋内馬場だから落ちても砂で痛くないですよ」と変な激励を受ける。相棒は雨が降るのに海までのドライブに出かけた。
 基本的に体験だけなら厩舎の手伝いは無いのだが、総がかりで掃除中では仕方が無い。昔取った杵柄で子供達と一緒に掃除の手伝い。子供達も平気な顔で馬糞の上で飛び回っている。敷き藁ごと掃出して集め、シャベルカー?に乗せ搬出、新しい藁を入れてやり給餌。馬房の前でノンビリながめていたら馬に鼻で肩をたたかれた。「馬が嫌がっていますよ」とお兄さんに注意される。
 馬の準備が整った所で雨天用の馬場へ。話通りタップリと砂が敷き詰めてある。馬が準備運動を兼ねて歩いている間に子供たちはボロ拾い(馬糞拾い)。その後で私も馬に乗せてもらう。思ったよりも馬の背は高かった。馬場を二廻りしながら「あまり難しい事は考えないで、馬の動きに同調して」と言われるが、本人は乗せられているだけだが、傍目には緊張しているのかもしれない。軽い早足もしてもらったが、こちらは本当に怖かった。その後、道産子のゆきこに乗せてもらう。サラブレットより小型の馬だが、胴も足も太く安定している。春に長野のみはらしファームで木曽馬を見たが、これを骨太にした位の大きさだ。何日か乗った甥っ子さんはこの馬の引き綱を外してもらって自分で駆け足をさせていた(馬が行きたい所へ行ってしまうようだが)が、こちらは引いてもらってゆっくりと中を廻るだけ。最後にもう1度大きい馬に乗せてもらう。「鐙の煎餅を踏み潰さない程度にふんばるんです」と教えてくれたが、難しすぎる比喩だと思った。
 午後に帯広でレンタカーを返しバスで池田へ向う。バスを降りたとたんに汽笛の音、池北高原鉄道ふるさと銀河線のSLが駅に入っていた。叔母の家はすぐ近くなので歩こうかと思ったが、荷物が重くてギブアップ、従弟にワイン城まで迎えに来てもらう。
 私も従弟の娘ヤンチャ姫やワンワンは初対面。ワンワンは家の人が居ないと犬小屋の奥に隠れてしまうはにかみ屋。ヤンチャ姫は人見知りを卒業したようで懐っこい。じきにおままごとの相手をさせられた。家も新築してから初めてで、まずはあちこちをキョロキョロ。各所に叔母のステンドグラスのランプなどが飾られている。作業場も地下にこしらえて本格的に趣味を楽しんでいる。甥っ子さんは従弟のゲームとマンガの蔵書に目を輝かす。
 夕食は従弟達がキャンプのみやげに買ってきたホタテと十勝の赤ワイン。相棒や甥っ子さんもすぐに馴染んでくれて良かった。

金光教十勝教会 http://city.hokkai.or.jp/~mtamaki/kyokai/index.htm

 

 

  7/31am7:00に起きたつもりが6:00だった。相棒や甥っ子さんも起こしてしまったので、3人で裏の清見ケ丘公園へ散歩に行く。草の露で足が濡れる。昔に比べるとかなり整備されてきれいになっている。特に屋内のバーベキュー施設がうらやましい。壁に予約表を張って皆で自主管理をしているらしいが、きれいに使われている。パークゴルフ場にはもう人が出ている。せっかくの良い環境なのに、知らない場所のせいか小雨が降り始めたせいか、甥っ子さん今日のマラソンはなし。
 朝食後、従弟の用事に合わせて網走へドライブ。
 延々と広い畑が続く。長いも・ジャガイモ・テンサイ・デントコーン・牧草・麦etc.時は麦秋。ちょうど麦の刈り取りシーズンで大型機械も動いている。機械も加工施設も桁でちがう。山沿いになるとシカよけの網が畑を囲んでいる。けっこう畑が荒されるせいだそうだ。しかし敵もさる物、網の無い畑へと移動して行くらしい。
 『日本一寒い町』というキャッチコピーのついた町、陸別で一休み。ふるさと銀河線の鉄道駅と道の駅が1つになっているスペース。このふるさと銀河線の駅舎は第3セクターのせいか特徴のある可愛らしい駅が多い。
 一休みをしてまた網走に向けて出発。網走が近づくとタマネギ畑や水田が多くなる。
 用事を済ませた後、網走湖の側にある網走ビール園で昼食。ここの地ビールには農大も係わっているらしい。3種類の飲み比べセットを楽しみながらバイキングで食事。甥っ子さんがノンアルコールのビールに興味を示す。一口舐めて「こんな苦い物のどこが美味しいの!」とまさに正常な反応を示す。皆でどれどれと味見をし、残りは運転手の従弟の口に納まった。ここの支払いは相棒が「お土産代わりです、その代わり子供をよろしく!」と「せっかく見えたんだからぼくが接待します」という従弟を押し切った。
 そして網走監獄へ。もちろん現役ではなく博物館になっている方。甥っ子さんは「夏休みの自由研究」と、がぜん張り切ってカメラを構える。正門の前では脱獄名人の像が迎えてくれる。庁舎・裁判所・出先の仮小屋・舎房・浴場・懲罰房・教誨堂とじっくり見て廻る。ここには他にもオホーツク流氷館・北方民族博物館などがあるそうだが、時間を考えて割愛。
 帰り道で足寄の松山千春の実家の前を寄り道して通り、pm6:00に池田着。
 夕食の手巻き寿司が待っていた。叔母がここのお菓子は美味しいと散々自慢をしていたが、ケーキを買っておいてくれた。小豆、砂糖、乳製品など、みな地元で取れるので和洋菓子とも美味しい。お菓子屋さんも腕のふるい甲斐があるわけだ。
 食後、甥っ子さんは今日の成果をまとめようと早速勉強。こちらが後から覗いたら勉強を終えてゲームに夢中だったが。これが最後の北海道の夜。

陸別町役場 http://www.town.rikubetsu.hokkaido.jp/

 

 

 

  8/1am7:00前起床。本日帰るので今日はまず荷物整理。ノンビリしていたら、8:30過ぎの電車で帯広に出て『千と千尋の神隠し』を見たいという相棒と甥っ子さんを心配して、叔母が朝食の誘いに来る。
 昨夜ケーキまでお腹に入りきらなかった甥っ子さんは、今朝ケーキも食べて行く。叔母の車で池田駅へ、あまりキップなど買った事のない甥っ子さんが券売機にチャレンジ。無事に帯広に向う。
 私の方は半日ノンビリを決め込む。叔母と一緒にヤンチャ姫を連れて清見ケ丘公園へ散歩。ブランコなどの遊具でひと遊びした後、ワイン城の方へむかう散歩道を行く。この道は普段ワンワンの散歩道だそうで、舗装されてしまったけど、中々のどかな道だ。途中にもう1つ公園が出来、ヤンチャ姫が池の鯉を探すが、アメンボばかりで、ようやくやって来たのは大きな黒い鯉。この公園を抜けるとワイン城下のイベント広場に着く。
 ここから引き返し、叔母は月次祭のお供え物を買いに買い物に出る。その間に従弟と出かける時間を相談しようとしたらヤンチャ姫が叱られている。何気ない事なのだが、叱られた報復にお父さんを蹴飛ばして、お尻ペンをされ大泣き。条件反射のしつけ期間なので、こちらはそっと引き返す。
 昼食にソーメンと昨夜の具の残りの天ぷらを食べて、3人分の大荷物とともに従弟に帯広空港まで送ってもらう。月次祭の上、午後から札幌まで用事で出かけるという従弟には気の毒をしてしまったが、無事に相棒達と落ち合えた。
 飛行機で東京へ、そして新幹線で静岡へ。楽しい思い出をたくさん詰め込んで帰ってきた。