群馬への旅 市民児協理事研修


   年度末が近付くと今年も市民児協の理事研修の季節がやってくる。今回は3年目なので今期でやめる予定の年配の方はおおっぴらに「卒業旅行」と銘打って楽しんでおられた。
   しかし、ちゃんと研修旅行。今回は前橋市民児協との交流研修がメインとなった。午後1時半からの研修に遅れるわけにはいかないので出発は早朝。大井川の皆さんは朝6時出発。そのバスが市役所の集合場所まで廻って来るのでこちらの集合は6時半のはずだったが、早めに着いたと思ったのにもう皆さん集まっている。しかも早朝で道路が空いているためバスも早めにやってきた。
   ところが東名は工事渋滞だとかで、静岡を過ぎたあたりから渋滞。日本平SAで渋滞から逃れるように早速のトイレ休。次にトイレ休を取った愛鷹SAに着いたのは8時を過ぎた頃だった。首都高までそのまま行く予定だったが遅れを気にして御殿場ICから東富士自動車道経由で中央道から圏央道・関越道コースに変更。談合坂SAで9時半、関越道の上里SAで11時と予定時間に乗せたのは添乗員さんの情報収集力か運転手さんの腕か。
   高碕ICを降りてすぐに本日の昼食場所、登利平。鶏料理のお店だった。昔このあたりは養蚕の盛んな土地柄でお店の建物はそんな時代の雰囲気を残した民家風だった。
   鶏肉は好物だが、大きなから揚げに焼き鳥、さらに煮物まで骨付きの鶏肉が入っている。美味しいのだが量が多くていささかもてあました。
   他のお客さんが居ない2Fの広間を使わせてもらったのと、研修会場の前橋市社会福祉会館まではもうすぐという事でみんなゆっくりと話しながら食事をした。
   食事を終えて駐車場に出ると、今回の橋渡しをして下さった方がこちらの担当の副会長を待っておられた。会長や事務局さんとしばらくお話をしていかれた。
   ちょうどお昼時なので食事に来る車やお弁当を買いに来る車で駐車場も賑やかだった。
   さて、ここから30分もかからずに前橋市社会福祉会館。前橋市民児協の方や市役所の方、社協の事務局の方が待っていてくださった。
   こちらは社協に民児協事務局がおかれているそうで、地域社協と民児協が二人三脚の形で動いているようだった。ここでの研修については別項に譲るが、前橋市民児協からは会長・副会長と研究委員会の委員長さんお2人と社協から担当事務局さん、市役所からも担当部署の方が来て下さっていた。2時間ほどまじめにキッチリと情報交換や意見交換をしてきた。
   終了後、建物の見学がてら階段を下りて出口まで向かったが、廊下やホールなども広く開放的な大きな建物だった。最後に玄関で皆で記念撮影。
   本日の宿までは関越自動車道で1区間。伊香保温泉のホテル小暮。このホテルは伊香保温泉の始まりの戦国時代の筆頭大家として十二支の初めの子の湯を名乗っている。立派なホテルで天皇皇后両陛下がお泊まりになった時の食器なども展示してあった。
   5時前に着いたので一休みをしてゆっくりと温泉に浸かる時間があったが、温泉がいくつにも分かれていて、1箇所だけでゆだってしまった。
   暖まった後は皆で食事。研修が終わるまでアルコールは禁止(当然だが)だったので、ようやく皆さんほっとしてくつろぐ。食事の中盤からは定番のカラオケ。上手な人も好きな人も代わりばんこにマイクを握る。今回は何故かデュエットが大流行。皆さんなかなかの芸達者。
   2時間ほどでお開きとなり、我が部屋の4人は品行方正にそのままみやげ物や経由で部屋へ。ちょうど明日が部会なので枚数があって軽いキャベツ煎餅を買った。今年は他の皆さんも部会へのお土産を買ったようだ。
   こういう時はマッサージを頼むのが何よりの楽しみという方と相部屋になったので私も一緒に頼んでもらう。
   しばらく待つ間に来てくれたのは目の不自由なおじさん。去年の研修旅行を思い出して、「お願いします!}とまず声をかける。「どう向きましょう」と方向を決めてもらって背中に手をかけたとたんに「凝ってますねぇ!」とあきれられた。肩・腕・背中・腰・足と両側をもんでもらって「ちょっと座ってごらん」と肩から背中をもう一押ししてもらって丁度40分。40分\4.000だが時計を見るまでもなく時間ピッタリ。気持ち良かった。
   そのままコテッと寝て目覚めれば朝。部屋の皆さんがお風呂に行っている間も布団の上でゴロゴロとTANUKIにモーニングメール。
   部屋の皆さんが帰ってきたところで朝ご飯に。B1でバイキング。しかし、スペースも広いし、野菜の天ぷらやオムレツはその場で調理をしてくれる。さらにパンも「焼き立てですよ」と暖かいのを渡してくれた。あまり食欲はなかったのだが、周りの人が食べているのを見て「それ美味しそう!」などと取りに行ったりして、ずいぶん食べてしまった。
   この年代が集まって食事をすると最後のデザートは薬。酔い止めが必要な方もいて、結局みんなが取り出した。もちろん私は花粉症の薬。
   帰りにロビーでお饅頭を見ていたら、「作っている所へ連れて行くから」と旅好きでこのあたりにも詳しいんだという方に言われたのでお饅頭はそちらで買う事にした。
   8時半出発予定になっていたが、民児委員たるもの5分前集合は当たり前。早い方はとても早い。「遅くなりまして…」と言っても時間前。お土産で増えた荷物をバスの荷室にしまってもらって玄関前で記念撮影をしてバスに乗り込み宿の方の見送りを受けてきちんと8時半出発。
   まず向かったのは計画には入っていなかった五徳山水沢観音。坂東33番札所の16番だそうだ。道端に雪は残っているのだがポカポカと良い天気の春の日の中を三々五々と歩いていく。途中にある鐘つき堂を見つけて嬉々として鳴らすのはうちの地区会長。1回\100だそうだ。
   本堂でお参りをし、隣の六角堂を見る。お地蔵様が並んでいる堂は回す事ができ、マニ車のように回す事が供養になるようだ。その脇には十二支の守り本尊の石像もあり、巳年の守り本尊の普賢菩薩をお参りしておいた。
   ぐるりと廻って戻ってくれば、駐車場前にお店を開いたばかりの野菜や漬物のお店。早速「安い!」と野菜を買ってきた方もあった。
   バスに乗って少し戻れば話にあったお饅頭屋さん。バスを降りると「いらっしゃいませ」とお饅頭を渡され、店に入ると「どうぞ」と杜仲茶が出された。まだ梅の花はこれからというところが多かったが店の前の紅梅はよく咲いていた。
   お饅頭だけでなくお切り込み(うどん)や地酒などもあったが、ばあちゃんのお土産にお饅頭を買った。
   さて、関越道の渋川伊香保ICから高碕JCTを経由して北関東自動車道の太田薮塚ICへ、ここで高速を降りR122を渡良瀬川沿いに北上。山道に入り、なかなか着かないねぇとバスに揺られて1時間半。ダム湖の草木湖畔にある星野富弘美術館へ。
   美術館の全景は気が付かなかったが、中は丸をいくつも並べた形になっている。エントランスには星野さんが口で鉛筆を持って字を練習し始めた頃の文字が壁に転写されている。私は母の知り合いの両腕と片足を幼い頃に電車に轢かれてなくした方を知っているので極端な感動はしないが、そのおじいさんが「綺麗にちょこっと書くには口の方が楽だが長い物は足で書かないととても疲れる」と言っておられたのを覚えているので、星野さんの作品がこのような形になったのは持久力の面でもとてもよく分る。しかし、目の前に対象を置いて描くせいかものすごく細かい絵にはとても驚いた。
   丸い壁に沿って作品を見ていくうちにオオイヌノフグリの絵があった。現在体調を崩して入退院を繰り返している風さんの好きな花で、しかもつい先ごろのブログで彼が言っていたのとそっくりな言葉が書かれていて、見舞いを買うならこれだ!と思ったのだが、一回りをして売店でたくさんの絵葉書の中から探すにはわりと地味な絵で一苦労だった。
   展示の後半はJAF Mateで連載している『風の詩 −ともだちー』作品を挟んで星野さんと舘内さんのやり取りが楽しい。
   建物から湖にむけて開かれた窓からデッキに出られる。外の空気もこの日は温かい。
   見学の後は同じ敷地内のレストハウスにバスで移動。「朝たくさん食べたから歩いても良いのに」と言ったら添乗員さんが「そうなるとまたバスに乗せて行けというご意見が出るんですよ」と。
   舞茸の産地らしく炊き込みご飯に舞茸のバター焼き。すぐそこので栽培しているそうで、売店でも巨大な舞茸を売っていた。
   ここでも「お饅頭の味見をしていって」と売店で呼び止められたがもうお腹が一杯で…。
   このドライブインの周りはなかなか面白いものがあり、腹ごなしにお散歩。
   建物の裏手にあったのはお昼寝姿のお釈迦様(涅槃像とはとても思えない)。亀の背の蓮華に乗ってノンビリと空を見ている。亀がいる小さな池(水溜り)にはカエルの卵。白い像の向こうは青い湖。
   駐車場の左には舞茸栽培の小屋。その前の小さな祠には貧乏神と疫病神。その前には丸太が立っていて竹刀でひっぱたけるようになっている。手前に居るのは大黒様か…。『貧乏・厄病は心の問題 自身の弱い心の裏に隠れています。それを叩き出してプラス思考に気分転換。「元気に笑ってストレス解消」悪い貧乏神・疫病神は退散すっきり気分で人生邁進。「笑う門には福来る」隣接に座している七福神様に御祈願して福を招いてください』だそうな。そして別の所には福の神。(七福神ではなく1体)
   時間はまだあるとお参りをしていたらもうみなさんがバスで待っていた。
   1時前に出発。帰りは2時に太田薮田IC。入ってじきに上里SAでトイレ休憩。トイレより暑さで皆でソフトクリームを買いにいく。豆乳ソフト\330を買ってみた。ちょっと塩辛さがあってさっぱりと美味。
   帰りは河口湖ICから朝霧高原へ。こちらも雪は残っているが暖かい。朝霧高原道の駅で5時前、夕暮れ。町の中で少し道が混んだが、5時45分には富士IC。6時半頃に日本坂PAで最後の休憩を取って、会長や添乗員さんからのご挨拶。
   ここまで来れば焼津ICはすぐ。いつもの通り駅に行く途中でうちの会長と2人先に降ろして頂いて、7時頃には家に着いた。