ちょっとした感想   

22/5/28

   『源氏物語』を原文で読む力はないが、時々パラパラと読むには面白い物語だと思っている。大勢の方が現代語訳を作っているし、そこから発展をさせた田辺聖子さんの『新・私本源氏』シリーズや新潮文庫の『源氏物語九つの変奏』なども楽しい。
   読む年代によってお気に入りのヒロインは変わってくるだろうし、誰に気持ちを寄せるかで読み方も変わってくるように思う。ちなみに、私の若い頃のお気に入りは明石の上だったが、今になるとどうも彼女の生き方は肩が凝る。朝顔の宮も好きなヒロインで、(男嫌いかどうかはわからないが)マイペースの趣味人として生きている。逆に源氏に振り回されている紫の上や朧月夜は気の毒だなぁと思ってしまう。
   そして、結局人生全体を通しての勝者は花散里の君ではないかというのが現在の心境だ。先の帝(源氏の父)の女御の妹という事は大臣以上の実家で育てられ、関係ができたからにはそれなりの対応をしなければならない姫君であったはずだ。葵上が居ても、第2夫人の地位はずっと維持していたはずである。源氏の嫡男の夕霧の義母であり、家事を取り仕切る家刀自であり、老後も孫の相手をしてのどかに暮らしている。
   それはさておき、後半の主役の1人である女3宮は原作に忠実な訳ではみな幼さの目立つ人として書かれている。とはいえ、お輿入れした時は14歳、現在の感覚では幼な妻だ。しかし、最近の読み方では彼女はかなり能動的に自分を通したのではないかという読みがある。
   その前段階になるか渡辺淳一氏の『源氏に愛された女たち』では源氏があまりに紫の上と女3宮を比べ過ぎた結果として、兄の帝などが女3宮に肩入れして、紫の上が心労の末に亡くなってしまったという解釈をしている。それが田辺聖子さんの『春のめざめは紫の巻』の女3宮はおじさんの源氏などアウトオブ眼中、堂々と柏木と不倫を行う。そして「正妻の私が生む子は6条院の若君です」と開き直る。さらに、『源氏物語九つの変奏』で桐野夏生さんが書いた『柏木』は女3宮の回想という形で、源氏も柏木も「ただ私の皇女という肩書に憧れただけ」と手厳しい。
   女3宮まで手が回っていないが柴田よしきさんの『小袖日記』のミステリー仕立ても面白い。
   時代だったり読む人の心境だったりで変化していくヒロインたちを生み出したこの物語は大したものだと思う。

22/5/25

   午後、LINEを使って『俳句でおしゃべり』メンバーとリモート句会をした。
   お膳立てを全部してもらって仲間入りをしただけだが楽しかった。楽さんには初めてお会いしたし、他の皆さんとも久しぶりだった。
   俳句に対しても、音の響きを面白がる人、言葉の選び方を気にする人、季語の取り合わせを考える人と、文字だけと違ってそれぞれの感性が出るのが面白かった。しかし、俳句だなぁと思うのは、皆さん「散歩をしていて…」だったり、「この前の訪問先で」だったり、「ニュースでしか分からないけれど」と、実際に見て感じたものから俳句を引き出している事だった。
   季語に対しても、季節感だったり、体感だったりが微妙に違うようで、そのあたりも話をしていて面白いところだった。

22/5/23

   まだまだパソコンに振り回されている。
   win10にも付いていたが、OneDriveというソフトは使えそうで使えない。
   そもそも初めにデーターを入れた時に取り込み途中で容量オーバーしてしまった。別にここに置かなくても良いからと削除したら、パソコン本体からもデーターが削除された。理屈が分からないまま、切り離してパソコン本体にデーターを入れてから、とりあえずのバックアップがあった方が良い物だけOneDriveに入れなおしたのだが、そうするとパソコン操作で出てくるのも保存されるのもOneDriveという事になるらしい。
   ホームページのデーターをそちらに入れていたら、中のファイルについて「使われないので削除します」のお知らせが来た。それでは困るので、パソコン本体の方にデーターを入れ替えたつもりだったのだが、本日の更新のために開いてみたら、上手くいってなくて、サイトに上がっているデーターを引き戻して作り直し、グタグタになってしまった。
   スマホとの連動でほしいのも最新の写真などデーターが時間とともに変わるもので、いちいち両方に保存するのも煩わしく、結局使えない。
   やはり地道に外付けのHDDにバックアップしていく方が分かりやすいようだ。   

22/5/11

   まだ新しいパソコンに振り回されている。
   ソフトの制作者は便利になるはずと更新を続けているのだろうが、できるはずの事が目の前の画面でできないと大いに焦る。探せばどこかに引っ込んでいるのだが、分かるまでの時間が、特に急ぎの仕事をしているときは煩わしい。
   今日はメールにファイルを添付するという簡単な事が、どこから出来るのかで大いに焦らされた。そもそもアドレスなどはそのまま返信にして出す方が間違えがないので、いつもやり取りをしている所はアドレス帳など開かないのだが、これだと資料添付ができない。わざわざ新規作成からすれば添付もできるのだが面倒な話だ。
   もう1つの今日の大笑いは自分のミスなのだが、宛名印刷をしていて差出人ありの設定をしたのに印刷されなかった。こんな作業は見ながらやっているわけではないので印刷終了後に「あらまあ!」となるのだが…。もしやと思ったら住所録は引っ越していたが、差出人データーが引っ越していなかった。こちらのソフトもだいぶ変更点があって、特にフォントが増えたのか減ったのかよく分からないが、使い慣れているものを探し出すのに往生した。
   新しいものを使う度に、しばらくこんなスッタモンダが起こるのだろう。

22/5/6

   熊本県の秀岳館高校サッカー部は名門なのだそうだ。そこでコーチによる暴力問題が起こった。今時の事だから動画がネットに上がり、警察も暴行容疑で動いたらしい。その後、選手による謝罪動画というものがネットに上がったが、サッカー部の監督による指導だったようで、その音声(ほぼ恫喝)というものもネットに出てきたようだ。
   ほぼテレビからの孫引きで詳しいことは知らないが、ここで私が強調したいのは、生徒達の人権感覚が育ってきていることだ。理不尽だと思うことは伝える努力をし、問題提起をして解決を目指す。
   1世代前のバイトテロと言われた動画などは新しいおもちゃがうれしくて、はしゃいでしまったものだったのだろうが、その下の世代はすでにツールとしてインターネットを使いこなしている。またこの世代は児童虐待問題とともに育ってきた世代で、保健師さん・保育士さん・学校の先生方も子供の人権尊重を少なくともお題目として頭において子供達と接してきたはずだ。
   子供も大人も人としての権利(生存権・人格権など)は他から侵されるものではなく、体育会系のノリはもはや時代遅れを通り越して、時代錯誤となっている。

22/5/1

   5月の始まりは雨で肌寒い。洗濯物が乾かないと言い訳をしつつ、エアコンを暖房で入れてしまった。
   すでに4月早々に夏日を体感してしまったので、なんだか季節が逆転しているような気がするが、これが本来の日本の春の気候なのだろう。
   大昔、中学・高校の頃、この季節はまだウールの制服で通学していた。それで特に不自由もしなかった。
   電気代高騰の折、なるべく自然環境のままで生活したいものだが、後しばらくしたら冷房が欲しくなるのだろう。

4月    6月