17/7/30
しばらくぶりで図書館へ行って今野敏の『ST』シリーズを何冊か借りてきた。警察ミステリーが多い作者だが、これは科学捜査研究所の技官たちが主役。しかもコチコチのミステリーというよりも戦隊ヒーローもののような、もっと言うならば私には石ノ森章太郎の『サイボーグ009』を思い出させるのだが…。5人の専門技官と係長のキャリアの警部(多分メンバーの中で1番若い)のST(科学特捜班)と捜査1課の調整役のベテラン警部補がチームになって捜査をしていく。
実はこの技官たち、本業以外の特技がある。心理学専門でプロファイリングや文書鑑定担当の青山は秩序恐怖症のくせに事件現場の不可解や盲点を発見する。紅1点の結城は物理担当で音響や弾道検査などの担当で普通をはるかに超えた地獄耳。彼女と化学事故やガス事故の鑑定をする黒崎の鋭い嗅覚が合わさると人間うそ発見器となる。さらに黒崎は古武術の達人でもある。そして法医学者で人間嫌いの赤城(彼がチームリーダーとして活躍するのだが)。薬物担当の山吹(実家が寺で僧でもある)は殺人事件の現場にやって来るとまずお経を唱える。
今回心惹かれたのが、『緑の調査ファイル』。結城翠の地獄耳をメインテーマに高級バイオリンのストラディバリウスの消失とそれに絡んでの殺人事件を解決する。なんとも可笑し味があったのが、マイペースに仕事をして普段は皆を振り回している若手心理分析官の青山と捜査1課一筋のベテラン刑事がクラシックで意気投合している点だ。
コンサート前のリハーサル中にソロバイオリニストのバイオリンが盗まれたらしいというところから始まって、今回はクラッシック音楽も主役になっている。クラッシックとなると私にはタイトルと音曲とは全く結びつかない。そんなわけで読みながらCDを何曲かしばらくぶりで聞くことにした。
以前、知り合いのピアノコンサートでコマーシャルやテレビドラマなどでよく使われる曲を中心にしたコンサートに誘ってもらったことがある。その時もタイトルから何もイメージが出なくても曲を聴くと、「ああ」というものが沢山あったが、今回もそうだった。しかし、『チャイコフスキーバイオリン協奏曲ニ長調』でミステリーを読んでいるのに、『忠臣蔵』討ち入りの場が頭の中に描かれたのには我ながらビックリした。多分NHK大河ドラマの『忠臣蔵』で使っていたと思う。
ストーリーの方は、ミステリーでもあるしここでは書かない。
17/7/28
防衛大臣の稲田さんと民主党代表の蓮舫さんがともに辞任した。それぞれのやめる理由はあるが、『東洋経済オンライン』が『ガラスの天井』に頭をぶつけたと表現して解説をしていたのが面白かった。
稲田さんの方は憲法違反的失言や日報問題(あるなしや隠ぺいした・しないよりお飾りにされていた事の方が問題だと思うが)失点をかなり重ねたうえでの辞任だった。その意味では遅きに失したと思う。
一方の蓮舫さんは確かに『ガラスの天井』があったのかもしれないが、バラバラの物を1つにまとめるのはかなりの力技が必要だと思うし、もともと民主党が政党の体さえもしておらず、烏合の衆だった民主党の化けの皮をはがしてしまっただけのような気もする。誰が出てきてもこの民主党をもう1度1つにして成長をさせるのは難しいのではないかと思う。
17/7/24
加計学園問題などで、国会は閉会中審議とかいうものをやっていた。ほとんどが時間の無駄で、議員歳費も公務員の給料も税金から出ている事を考えれば「金返せ」と言いたい問答だった。(あきれて全部見ていたわけではないが…)
1つ気になったのが、お友達を大事にする安倍総理が、加計学園が特区での獣医学部新設を知ったのが「今年の1月20日だ」と答弁したことだ。加計学園としては民主党政権時から何とか今治で獣医学部を新設できないかと色々と動いていたという。昔なじみの安倍総理が当時は野党議員であったわけだし、相談をされなかったというのはそれだけ安倍議員は頼りない存在だったという事だろうか。世事に通じた議員は色々な人から相談を持ち込まれるのも仕事の内、それで金品を受け取ることは禁じ手だが、それで支持してもらうことまでは禁止されていない。それともお友達相手でも相手の言う事には上の空で、自分の言いたい事だけをしゃべり倒しているのだろうか。どちらにしても総理大臣として日本の舵取りを任せて安心できるだろうかと不安に感じる。
17/7/23
大相撲名古屋場所の千秋楽だった。終わってみれば勝ち数トップに上った白鵬の優勝だったが、上位陣が元気のない中で平幕の碧山が1差でついて行き最後まで盛り上げてくれた。
何時でも古い人と新しい人の入れ替わりはあるのだろうが、ここしばらく若い力が何人も頭角を現していて面白い。さらに、嘉風・豪風など長年幕内に住み着いている力士も「まだまだ」と頑張っているからより一層面白い。そして横綱の白鳳と日馬富士が厚い壁となって若い力を迎え撃っている。
特に日馬富士はスタート時点で2敗してあまり調子が良くないのかと心配だったが、鶴竜・稀勢の里と後輩横綱が休場する中で、本場所中にしっかり調子を上げた責任感には頭が下がる。
農大関係では今場所の正代は課題解決の宿題ができておらず5勝10敗の大負け。特に胸を出しての立ち合いはまだまだ生意気だろう。体格が良いのにアクロバット相撲もケガにつながるのではないかとハラハラさせられる。幕内に上がるような力士は誰を取ってもケガや病気さえなければトップに上り詰める事の出来る力があるはず、だからこそ大けがをしないような相撲を取ってほしい。
そして十両の豊山は11勝4敗で巴戦の優勝決定戦までは行ったが優勝には届かなかった。9月に幕内まで上がれるか微妙なところだ。
幕下の双大竜(西幕下17枚目)の名前をしばらくぶりで幕下上位戦の結果で見たが、残念ながら3-4で負け越してしまったようだ。
昨年の名古屋場所で序の口から再出発した加美豊は西三段目93枚目で5-2で勝ち越し。
それぞれ体調を維持して夏を乗り切ってほしい。
17/7/14
富山県にある総合機械メーカーの不二越の本間博夫会長が『富山生まれ・富山育ちの人は採用しない』と発言して物議をかもしている。
心情的な賛否でマスコミもネットも取り上げているが、これは憲法第十四条の『すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。』に抵触していないだろうか。
日本人は護憲派も改憲派も葵の印籠のように『憲法』という言葉ばかりだが、国の形とともに国民の権利と義務が書き込まれているもの、中身にもたまには目を通して、戦後70年で終戦後に決意したことがどれだけ実現したかを考えるのも大切ではないだろうか。
17/7/12
図書館で『芸人と俳人』(又吉直樹・堀本祐樹/集英社)を借りて読んだ。
実は、又吉さんを本業(作家?芸人?)で見ていないし、NHK俳句で見ている堀本さんの俳句の感性は私とは違うなと感じているのだが、この本そのものは、俳句のイロハという意味で大変分かりやすかった。俳句を学んだのは中学・高校の国語の時間だけ、後は成り行きの言葉遊びとして俳句で遊んでいる身としては基本がわかっていなかったりする。
俳句のカテゴリーとしては自由律俳句から入った(本人は17文字も長すぎる)又吉さんはそもそもお笑いのネタ元の種のように短いフレーズを書き留めていたらしい。そこで、俳句とは何だというところから始まって、文字数の話、その中の字余り・字足らず、句またがりなどの解説、季語、切字と進んでいく。挟まれている句の鑑賞に又吉さんの感性の鋭さが表れていて面白い。元々は雑誌の連載で最終的には2年をかけて鑑賞や句会、吟行までチャレンジしたようだ。
それぞれに言葉で仕事をしている人達で、下地である文学作品などもよく読んでいるので話がしっかりとかみ合っていて、面白く読んだ。
17/7/10
加計学園問題で、国会の休会中審議とやらが始まった。
座り込んで聞いていたわけではないが、何だかピントが外れている気がする。安倍総理はキレた状態で「いくつでも作ればいいんです!」と言ったが、戦略さえあれば(国家戦略特区でしょ)実はそれでも良いはずなのだ。国内で獣医師がどれだけ必要だからというところにポイントを置く問題ではない。大学は世界水準で設けるものだ。教授陣も世界から呼べば良いし、学生も世界から集めれば良い。
獣医というとペットのお医者さんのイメージがあるが、それはごく一部のはずだ。本来の大きな役割は家畜診療だし、そこから付随しての食品安全の分野が一番の守備範囲だろう。さらに農学部全体のそうだが、今や細胞の中身の研究が大きなウエイトを占めているのではないだろうか。
そこで世界全体を見渡せば、狂牛病や鳥インフルエンザなど、獣医師の課題はたくさんある。さらに食の安全を考えるとまだまだ世界の獣医師数が十分とは言えないのではないか。
少子化に入った日本で、国内の大学年代の人数は限られている。今後の活路として、江戸時代のように現役をリタイアした人の学びの場(伊能忠敬もご隠居になってから日本地図作成に取り掛かった)とするか、世界に誇れる研究の場を提供して海外からの留学生を呼ぶかが大学の生き残り戦略に必要になるはずだ。
大学であるからには研究機関で、卒業証書を乱発して「大学で何をやって来たのだ」という卒業生を粗製乱造する場ではないはずだ。
お友達とのナアナア政治そのものはただの利権政治で追及されるべきだが、大学の将来についてはそれとは別にきちんと議論するべきだと思う。
17/7/5
昨日から北陸から新潟にかけて、今朝は島根、そして午後になって九州北部と大雨が続いている。特に今日は大雨特別警報が出ている。今はテレビクルーが取材に出なくてもすごい映像が現場からやって来る。すでに川筋がどこか分からなくなっていたり、川の水が道路へ流れ出ていたり、橋げたのすぐ下まで水が来ていたり、車のタイヤがほとんど水没していたり、現地はそれぞれに大変な事になっている。
被害に遭われている皆様には、くれぐれも安全に気を付けて過ごして頂きたいし、お見舞い申し上げる。
しかし、遠方で「今日も暑いね」とテレビを見ている人にとって状況は目で見てわかるが、そこにいる人に対して「避難を」とテレビで呼びかけても土砂降りの中で避難経路は、避難所は大丈夫なのかなど現地の人が本当に必要とする情報は正しく出ているのだろうか。
NHKはどういう基準で放送をしているのか知らないが、現地以外の人にとってはローカルな地域での避難指示情報など聞いても仕方がない。せいぜい家族・知人がいる人々が心配するくらいだろう。被災地域で他の放送をカットしてローカルニュースを大量に流すのは当然だが、関係もない所で延々と聞かされるのには違和感がある。それよりもこちらのローカルな交通情報や天気、ローカルニュースの方が必要な情報だと思うのだが。
17/7/3
昨日、東京都議会議員選挙があった。東京都という1地方都市の話なのだから、全国放送で盛り上がることもないと思うのだが、結局、開票速報を見ていた。しいて言えば私にとっては古郷でもあるので…。
マスコミとしては国会の状況と絡めたコメントが多いが、まず都議会議員をそれぞれの地域の有権者がどう選んだかの方が本筋だと思う。
だいぶ前になって忘れかけられているかもしれないが、都議会での野党議員の質問に自民党議員団からヤジを飛ばして問題になった事があった。さらに小池都知事誕生の時に自民党出身の議長が挨拶に来た都知事との握手や記念撮影を拒否した大人気ない態度が話題になった事もあった。そして、小池知事以前の石原・猪瀬・舛添都知事と与党であった自民党の不作為で築地市場・豊洲市場の問題、オリンピックの問題などが今になってゴソゴソと出てきて、余分な時間と予算が必要になった事などを考えると、いくらお金のある東京都といえども、納税者(ほぼ有権者に重なる)が高い給料を払える人かを吟味しても当然だと思う。ダメだと判断した人に入れないのならば新人に期待をするしかない。それが今回の選挙結果だったのではないかと思う。少なくともそのような良識を持った判断だったと故郷の人達を信じたい。
選挙が終われば東京都と言えども本来の住民が必要としている政策、島や周辺地域の過疎化の問題や子育てしにくい環境の改善、高齢化に伴う問題などマスコミが取り上げない地道な施策の問題にどれだけ取り組むかが、特に風頼りで勢いで当選した新人議員達の本当の課題ではないかと思う。
17/7/1
我家では今頃シクラメンが咲いている。 いわゆる戻り花。クリスマス前に買ってよく咲いてくれたのだが、春には一休みしていた。葉はまだきれいに付いているが、この暑いのに次々と蕾が上がってきている。
今年の気候が花を狂わせているのか、単に丈夫でまだ花をつけたかっただけなのか、花の気持ちは分からないが、何となく得した気分を味わっている。