ちょっとした感想   

24/6/26

   数日前に富士登山をして帰らないという人の捜索に警察が入り、頂上火口の中で3人の遭難者を発見したそうだ。別々に来てそれぞれに遭難してしまったらしいが、残念ながら皆亡くなっていた。さらに今日も、8合目付近で体調不良を起こした人が亡くなったそうだ。
   施設でも遊園地でもなく山なのだから、技術力と体力があれば自己責任で登る事はできるだろうが、日本最高峰、平地とは気候も違うし、閉山期には診療所どころか山小屋や売店、トイレさえない、観光地ではなく、そのままの山に行くことを肝に銘じるべきではないだろうか。

24/6/20

   将棋叡王戦第5局は伊藤匠7段が藤井聡太叡王を下して3-2で叡王を奪取したようだ。
   この2人は同い年、まだ21歳と若手だしこれから10年位の将棋界を共にリードしていくと楽しみにしている。
   8冠制覇した藤井名人は今後、タイトル戦続きで、さらに名人などタイトル保持者の雑務も多いはずで、ゆっくり研究時間を取るのも大変だろうと思う。しかし、ここから腰を落ち着けて長く第一線に君臨してほしい。

24/6/18

   ふと気になって父が亡くなってから何年になるかと調べてみた。ついこの間のような気もするが2009年の3月のことなのでもう15年も経つ。母も調べたらもう8年、ケロリと7回忌を忘れていた。
   それならとO家の方も調べたら、義父が亡くなって29年、義母は23年が経っていた。
   親戚づきあいも淡くなって、コロナ禍もあり、お年忌など人が集まること自体が大変になったが、時々思い出していればそれで良いかと暢気に構えている。

24/6/10

   自分のためのバースディプレゼントに『銀の猫』(浅井まかて著/文春文庫)を買った。
   狂言回しに家のはなのような猫が出てくるが、お江戸の猫は尻尾は短かっただろう。この猫、長屋の中で色々な名前で呼ばれ、それぞれの家から餌をもらっているらしい世渡り上手だが、話の本筋は介護の話だ。
   江戸末期に本当に介護士があったかどうかは知らないが、女中斡旋専門のの口入屋が介護専門の女中を斡旋する。その1人が主人公のお咲だ。1か所2~3日契約だがハードワークなので、普通の住み込みの女中や行事のための増員の女中に比べて給金が良い。お咲もかなり厄介な性格の母親の借金を抱えてこの仕事をしている。この母親とのかかわりと、離婚してしまったが嫁ぎ先の舅の仁左衛門とのエピソードを縦糸に派遣先の色々な家族の様子を横糸に話が続いて行く。さらに口入屋のお徳・五郎蔵夫婦、介護先で出会った元気な女隠居のおぶん、長屋のおきん・庄助親子、介護指南の本を出したいという(多分)大店の貸本屋の杵屋などが絡んで物語は進んでいく。
   江戸時代も後期となると江戸の町の中では今と同じように高齢者はいたようだ。平均寿命が今に比べて低いのは乳幼児死亡率が高かったためというのは何かで読んだ気がする。大金を払って介護人を雇う家なので、ある程度の商家・武家・大奥勤めを引退した女性宅など生活の余裕はある家々だが、現在同様に家族に心の余裕があるかというとそうもいかない。介護の方法といっても医療機器がほとんど無いだけであまり変わらない。お咲もおむつを替え、着替えや食事の介助をし、時には行水を、時には気散じになる話し相手や散歩の介助を行う。
   一方、同じ長屋のおきんは老衰が進み、息子の庄助が世話をしているがいっぱいいっぱいになっている。そこに行きあった女隠居のおぶんが隠居道楽で世話を手助けしようと乗り出す。
   口入屋を実質的に切り回しているお徳は『あたしらの稼業は注文が途切れたらそこで終い』と割り切るが、それでも江戸人情話らしく話は続く。
   話の結末として笑って学べる介護の手引書『往生訓』が出来上がる。本音ばかりを言い合っても、建前ばかりでもダメ、笑いが気持ちをほぐす介護をというのは今も同じだと思う。

24/6/5

   1人の女性が生涯で出産する子どもの数を示す合計特殊出生率が去年、1.20となり、過去最低を更新したそうだ。
   今の政策で増えると思えないが…。
   まず、働く人々、公務員だろうが保育や教育にかかわっている人だろうが、医療・介護にかかわっている人だろうが、輸送や商売・工場で働く人々も皆、婚活中で夕方からデートをしたい若者だったり、子育て中の保護者だったり、看護や介護が必要な家族を抱えていたり、色々な側面を持つ個人であるという事がスッポリと抜けている。
   次に、示されたより多くの子供が多分生まれようとはしているのだが、女性もその家族も未婚の母となる事のハードルが高いのでほとんどが選ばない。この子達は生まれる前、あるいは生まれるとすぐ亡くなるという運命に見舞われる。
   さらに、児童虐待による死亡やいじめによる自殺も防ぐ事が出来ていない。
   要するに、日本という国が人が住みにくい社会環境になっているという事の解決策を出さない限り、子育て中の家庭だけに少しの予算を付けた所で解決は難しい。
   ただし、本人達が子育ては楽しいと思い、フォローしてくれる家族や仲間が居る場合は、普通の収入だろうなと思っても何人もの子供が居て家族皆で楽しそうに過ごしている。

24/6/1

   6月に入った。まだ梅雨入り前の良い気候の頃のはずだが、今年は晴れていると思っても雲が垂れ込めたりする梅雨のような天気が多い。雨の日も多いような気がするが、これはイメージだけかもしれない。それでいて、暑くて半袖で過ごせる日も多い。
   「日本人がコメを食べなくなったコメ余りだ」と言われ続けてスーパーでも目玉商品になる事も多かったが、行きつけのスーパーがコメの安売り日を止めてしまった。昨年は本当にコメは不作だったのだろう。義弟が亡くなってスーパーでコメを買うようになったが、スーパーの安売りの米だからというのではなく、粒ぞろいとは言い難い。先日「新品種のお披露目なので」と買った福井米も少し白い粒が混じっていた。
   米=水田の日本で、水を考える時にも水田の役割は大きいと思うのだが、この状況が続けば水田という中間保水の場を失い土砂崩れ、水不足、放置されれば森林化でクマやイノシシ・シカなどとの共存をどうするかを考えなくてはならない状況になりかねない。

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